カピ先日、長水路の400m個人メドレーに出場しました!
400m個人メドレーは、正直に言って「きつい」種目です。
泳ぐ前から分かっているし、泳いでいる最中も、そして泳ぎ終わった後も、きつい。
それでも私がこの地獄みたいな種目に挑戦したのは、マスターズ長水路の大会で実際に泳ぎ、
「なぜきついのか」
「どこで崩れるのか」
を自分の体で確かめたかったからです。
この記事では、400m個人メドレーを1500m自由形やOWSとは違う“短時間で限界が来る種目”として捉え、きつさの正体、完泳するための考え方、練習や当日の工夫をまとめました。
これから400IMに挑戦する人、そして「もう二度と泳ぎたくない」と思ったことがある人に向けて書いています(笑)
400m個人メドレーが「きつい」と感じる理由


4種目の筋肉負荷が“ドミノ式”に崩れていく瞬間的な地獄度
400m個人メドレーがきつい最大の理由は、4種目それぞれで使う筋肉が違い、その疲労が連続して襲ってくる点にあります。
バタフライで心肺を追い込み、背泳ぎで体幹を使い、平泳ぎで股関節と内転筋を削られ、最後に自由形で残った力をすべて使い切る構造です。
一つの種目で生じた疲労が回復しないまま次に持ち越されるため、「ここを越えれば楽になる」という区間がほとんどありません。
平泳ぎでの股関節・内転筋疲労がピークを迎える構造
400IMで最も脚がつらくなるのは平泳ぎです。
キック動作で股関節と内転筋に強い負荷がかかり、すでに疲れた脚に追い打ちをかけます。
平泳ぎ後半では蹴りが小さくなり、自由形に入ってもキックが入らない感覚に陥りやすくなります。ここで脚を使い切ると、レース全体が一気に苦しくなります。
1500mやOWSとは違う“短時間で限界が来る”タイプのきつさ
400m個人メドレーのきつさは、1500m自由形やOWSのような持久系の苦しさとは性質が違います。
長距離はペースを調整しながら耐える時間が続きますが、400IMは短時間で心拍も筋肉も一気に限界へ近づきます。
各種目ごとに負荷が跳ね上がり、逃げ場がないのが特徴です。
400m個人メドレーを完泳するための基本戦略


バタフライ前半を抑え心拍スパイクを防ぐ
400IMを安定して泳ぐには、バタフライ前半を抑えることが最重要です。
最初に突っ込みすぎると心拍が一気に上がり、その後の背泳ぎや平泳ぎで立て直せなくなります。
B-up(最初はゆっくりで徐々に速くする)イメージで、後半に余力を残せます。
背泳ぎはリズムと伸びで“回復区間”を作る
背泳ぎは400IMの中で数少ない立て直しのチャンスです。
姿勢が安定しやすく、呼吸も確保しやすいため、意識次第で心拍を落とせます。
ストロークを大きくし、ローリングと伸びを使うことで、次の平泳ぎに向けた余力を作れます。
平泳ぎ→自由形の橋渡しでレース全体が決まる
400IMは、平泳ぎから自由形への切り替えで結果が大きく変わります。
平泳ぎ後半で無理にスピードを上げると、自由形に入った瞬間に脚が完全に止まってしまいます。
自由形序盤のリズムを優先し、スムーズにつなげる方が全体のタイムは安定します。
400IMに挑戦した本当の理由(実は“お祭り”だった)


日曜あさイチの地獄レースからの即撤収が儀式化
私が出場した東京都マスターズは2日間開催で、2日目のあさイチに400m個人メドレーが固定されている大会です。
正直なところ、
「400mも泳いだら、そのあとに別種目に出る元気なくない?」
と思っていました。
だったらいっそ、
「レースが終わったらすぐ撤収して、昼から飲めるのでは?」
と考えたのが、今回400IMに挑戦したきっかけです。
辰巳→月島もんじゃへ直行する“ご褒美ルーティン”
東京アクアティクスセンターの最寄り駅は辰巳駅。
そこから2駅行くと、もんじゃ焼きの街・月島があります。
そこで仲間たちに、
「4個メ出ません? そのあと月島でもんじゃ焼き、昼飲みしましょ」
という、飴と鞭のお誘いをしました。
普通なら断られがちな400IMですが、
この作戦が功を奏し、自分を含めて8人がエントリー。
完全に“イベント化”した瞬間でした。
仲間と飲むビールがうまいから、また挑戦したくなる
正直、こういうご褒美がないと400IMなんてやっていられません。
乾杯の挨拶は私が担当し、
「ベストが出た人も、出なかった人も、完泳できただけで素晴らしい。
今日はみんな優勝です。乾杯!」
でスタート。
当然のように、ビールはぐいぐい進みました(笑)。
この時間があるから、また次も400IMに挑戦したくなるのだと思います。
マスターズ水泳の良さを感じたエントリートラブルの出来事


400IMに申し込んだはずが400Frになっていたエントリーミス
プログラム公開日に、自分や仲間の組・エントリータイムを確認していました。すると、1人いないことに気づきます。
よくよく探すと、その方は400m自由形にエントリーされていました。
本人に確認すると、本人のミスではないことが判明!!
スポーツクラブを通じて、エントリー修正の依頼を行うことになりました。
実力差のある組に入る不安とスタート前の空気
ただ、嫌な予感はしていました。
5分20秒台の猛者たちが泳ぐ7組目まで、空いているコースがない。
つまり、
「7組目に入れられるのでは?」
という不安です。
予想は的中し、7分台の実力のその方は7組目に組み込まれました。
本人曰く、
「めちゃめちゃ緊張した」
とのことでした。
同じ組の選手からの一言に救われた瞬間
この一連の出来事を私がX(Twitter)でつぶやいたところ、
「私も7組目なので、声をかけますよ」
という、ありがたい反応がありました。
そして当日、本当にその方が声をかけてくださり、
声をかけられた本人も
「すごく心強かった」
と言っていました。
タイムや順位だけではない、
マスターズ水泳の良さが見えたレースでした。
マスターズ長水路「5:58.03」実体験レポ





6コースが私。飛び込んだ瞬間、ゴーグル右目に水が入りました。トホホ・・・
レース前に立てていた作戦と想定外トラブル
今回の400IMは、スタート前にかなり細かく作戦を立てていました。
- Flyは腕を浅くかき、前半は抑えめで100mビルドアップ。飛び込み後のドルフィンキックは8回で14m付近まで運び、50mターン後も余裕を持って5回ほど入れる想定。
- Baではバサロを6回程度に抑え、呼吸に余裕を持つこと。ホームプールの感覚(間隔)で回ると壁に近づきすぎるため、早めにうつ伏せになるクイックターンを意識。
- Brでプルは大きくかかず、小さく効率重視。呼吸で上体が立ちすぎないよう「前に前に」進むイメージ。
- Frは6ビート、呼吸は4回に1回。故障リスクのあるギャロップは使わず、最後は気合で押し切る
――そんな設計でした。
しかし、実際には最初の飛び込みでゴーグルに水が入り、FlyとBaの潜水キックのプランが崩れます。
ここで作戦を完遂することよりも、レース全体を壊さない判断を優先し、潜水は無理をせず立て直す方向に切り替えました。
想定外は起きましたが、「崩れない選択」ができたレースだったと思います。
各種目のラップから見えた崩れポイントと強み
結果は5:58.03。ラップを見ると、Fly前半36.26と入りが速く、後半は44.73まで落ちています。
ゴーグルトラブルの影響もあり、意図せず前半が突っ込んだ形になりました。
一方でBaは前半49.82、後半48.51と後半で持ち直しており、ここでレースを立て直せたのは大きな収穫です。
Brは50.08/49.75とほぼイーブン。脚の疲労はありましたが、完全に崩れることはなく耐えられました。
Frは41.11/37.77と、ラスト50mでしっかり上げられています。Brで致命的に削られなかったことで、最後に腕で押し切れる余力が残っていました。
全体として、FlyでのロスをBa以降で最小限に抑え、最後まで「レースを捨てなかった」点が今回の強みだったと感じています。
次に向けて見えてきた現実的な改善ポイント
今回の記録から感じたのは、「大きく変えなくても、少しずつ楽にできる余地がある」ということでした。
Flyは前半を突っ込みすぎず37秒台で入り、後半を40秒前後でまとめられれば、全体はかなり安定します。これはスピードを上げるというより、無理をしない改善です。
Baは回復区間として機能しており、ターン後の姿勢を丁寧にするだけで消耗を減らせそうです。
Brは後半で脚が重くなりましたが、完全に止まる前に耐えられていました。蹴りを強くするより、小さく速いリズムを意識した方が楽に泳げそうです。
Frではラスト50mを37秒台でまとめられ、「まだ泳げた」という感覚が残りました。これらを積み重ねていけば、タイムとしても自然に余地が出てくると感じています。
400m個人メドレーが“少し楽になる”練習メニュー


3500〜4000mで行う実践的IMセット
400IM対策には、ある程度の距離をまとめて泳ぐ練習が欠かせません。
短い練習では再現できない後半の疲労感を、3500〜4000mの中でIM要素を繰り返すことで体に覚えさせます。
疲れた状態でもフォームを保つ経験が、そのままレースにつながります。
100m×4本をFly→Ba→Br→Frで回すセット
200m(Fly+Ba)→200m(Br+Fr)のように、IMを前半・後半に分けて泳ぐセットなどを入れていきましょう。
脚が止まらないためのKick&体幹トレーニング
400IMでは、脚を強くするより「最後まで動かし続ける」ことが重要です。
股関節や体幹が弱いと後半で姿勢が崩れ、推進力が一気に落ちます。
長い距離のキック練習や体幹意識のドリルを継続することで、最低限の脚の動きを維持できます。
大会当日のウォームアップとレース準備


50~70分前にアップを終えるべき
レースの50〜70分前にアップを終えると、体温や心拍、神経の状態が安定しやすくなります。
アップ直後に少し休憩を入れることで、体が温まった状態を保ったままスタートに向かえます。
アップは「どれだけ泳ぐか」だけでなく、「いつ終えるか」も大切です。
私が行ったウォームアップ(900〜1200m構成)
大会当日のウォームアップは、量よりも内容が重要です。やりすぎると疲労が残り、少なすぎると体が動きません。
900〜1200m程度で、ドリル・IM要素・短い刺激をバランスよく入れると、レースで自然に体が動きやすくなります。
レース前に25〜50mの短い刺激を数本だけ入れておきましょう。
以下は実際に私が行ったアップです。
- 50×4 SKiPSゆっくり
- 50×4 IMOゆっくり
- 50×4 IMOキックスイム
- 50×4 スカーリング
- 50×2 Fly飛び込みダッシュ。UWキック8回で15m超えないか確認
- 50×2 Baターン練習
- 100×1 ダウン
長水路ならではの注意点(潜水・ターン・心拍管理)
長水路では、短水路と同じ感覚で泳ぐと失敗しやすくなります。
ターン回数が少ない分、泳ぐ距離が長くなるので気持ち的に焦るかもしれません。
落ち着いて心拍数を上げ過ぎないように、一定のテンポを保ちましょう。
400m個人メドレーがきつい人へ伝えたいこと
400m個人メドレーは、最初から最後まで楽な瞬間はほとんどありません。
ただ、続けていくと「ここは耐えられる」「ここで少し落ち着ける」という区間が確実に増えてきます。
きつさがゼロになることはなくても、きつさの質は変わっていきます。
2026年、この記事を最後まで読んでくださったあなたも長水路4個メに挑戦してみませんか?☺
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
