- 100m自由形の後半で体力が持たない・・・
- 後半に強くなるための練習メニューは?
- 前半と後半のタイムの理想的な比率は?
- ゴールセットとは?
はじめに
昨日泳いでいて、
「1フリの体力持たないんだよね。どうしたらいいんだろね」
との話を水泳仲間としていました。
”1フリ”とは100mの自由形(クロール)を指します。
確かに、200m個人メドレーよりも100mクロールの方がしんどい気がする…
これに関してはポイントは3つになります。
100m自由形の体力面のポイント
1:前半から全力を出さない
2:前半と後半のタイムの比率
3:後半に強くなるための練習
その仲間に私から伝えたことをせっかくなので、記事にしてしまいます。
3つのポイント
前半から全力を出さない
最初から全力を出すと後半はヘトヘトになり、ラスト25mなんて地獄です。
かと言って、前半に手を抜きすぎると、後半で取り返せません。
前半と後半のバランスで悩んでいるスイマーも多いのではないでしょうか?
私しんじが調べたところでお伝えすると、
50mベストプラス1.0~2.0秒が「ちょうど良い手の抜き方」になります。
根拠としては、日本を代表する短距離自由形の塩浦慎理(しおうらしんり)選手と中村克(なかむらかつみ)選手のタイムがお二人とも50mベストプラス1.4秒でした。
また、4月に行われた日本選手権での①50mと②100mの自由形出場者のタイムを見ると①の結果と②の前半50mを比較すると平均約1.0秒ほどの差でした。
ただ、そうは言ってもこれは日本のバリバリ現役のトップスイマーたちの数値ですので、幅広い年齢層のいるマスターズにおいては2.0秒ぐらいまでは許容されると私しんじは考えます。
(ちなみに私自身はベストプラス1.0秒ぐらいです。)
ちょうとイイ手の抜き方を見つけよう!
前半と後半のタイムの比率
100m泳ぐ中で前半と後半のタイムの比率(後半÷前半)も見ていきましょう。もちろん、前半は飛び込みの勢いもあって後半50mのタイムより速いです。こちらも塩浦選手と中村選手のタイムを見ていきましょう。
選手名 | 前半50m | 後半50m | 比率 |
---|---|---|---|
塩浦選手 | 23秒05 | 25秒30 | 1.10 |
中村選手 | 23秒30 | 24秒57 | 1.05 |
このお二人を見ると1.05~1.10の間である事がわかります。そして同じように4月の日本選手権100m自由形の決勝メンバーを見ると平均は約1.09になることがわかりました。
これは例えば、100mクロールのベストタイムが1分20秒の方がいて比率を1.10で考えたときに、前半50mを38秒10で入り、後半を41秒90で帰ってくるような形になります。
前半50m | 後半50m | 比率 |
---|---|---|
38秒10 | 41秒90 | 約1.10 |
この比率は年齢層の広いマスターズでも計算した結果あまり変わりませんでしたので、比率(後半÷前半)が1.09~1.12ぐらいが良いと言えます。
逆に前節の『前半から全力を出さない』から考えると、
「100mクロールで1分20秒のベストを出したい!」
という方は単発の50mクロールのベストは36.5秒ぐらいを出さなければなりません。
年齢層は変わっても速い人たちの比率は変わらないんだゼ!
後半に強くなるための練習
1と2を踏まえて、
じゃ、どんな練習すりゃええんじゃ?
という疑問が出るかもしれません。
この時の答えの一つは
50×4×4 1’30 ダッシュ
になります。
そしてこのダッシュのときのタイムとしては「後半の目標タイム-2秒」になります。
例としてまた「100mクロールで1分20秒のベストを出したい!」という方(前半38秒10、後半41秒90)を引き合いに出します。
後半のタイム-2秒ですから39秒90、要は上記のダッシュ練習で「40秒を切りましょう!」ということになってきます。
これは毎本毎本出せるタイムではないと思います。まずは1本からちゃんと着実にできるように、次は2本をクリア、次に1setでの達成・・・という形をとると良いと考えます。
また、1’30のサークルで全然タイムが出ないのであれば、2’00でも問題ありません。
とにかく「40秒を切りましょう!」という練習をすることが大事です
簡単に言っているけど、練習は控えめに言って地獄だゼ♪
ゴールセットとは?
目標(ゴール)を設定(セット)することを指します。
100m種目の競技タイム(ゴール)に対して、上記の
50×4×4 1’30 ダッシュ
の練習で何秒のタイムを出せばいいのか(セット)を決めた練習のことです。
もとは順天堂大学スポーツ健康科学研究科の出している見解です。
こちらのサイトで、目標をクリアするための基準タイムを算出しても良いと思います。
重回帰式ってのが出てくるけど、これはゴールセットに限らず賃貸物件の家賃相場なんかにも利用されてるゼ
まとめ
「100m自由形の後半で体力が持たない」という方は、本番のレース展開として前半50mを50m自由形のベストプラス1.0~2.0秒で泳ぎ「ちょうど良い手の抜き方」を実践することが大事です。
そして「後半50mのタイム÷前半50mのタイム」をしたときに、比率が1.09~1.12になっているのが良いバランスです。
そして上記2点を体現するための練習として
50×4×4 1’30 ダッシュ
をおススメします。
これでベスト出しちゃいましょう!!それでは~
コメント
コメント一覧 (2件)
とても分かりやすい解説ありがとうございます!1フリ速くなるためには半フリも速く泳げなきゃいけないし、後半持たせるだけのキツイ練習もまた必要なんですね。がんばります。
山形さん
コメントありがとうございます。
そう仰っていただけると、とても励みになります!
前半からある程度”攻めなきゃいけない”ということは肌感覚でみなさんわかってらしゃるとは思うのですが、今回明確にしてみました。
その上で後半も持たせなきゃいけないので、書いている自分もそんなに体力が持つかは自信ないです(-_-;)